留置後、一定期間は抗凝固薬等を飲み続け、その後中止します。
心臓の中でデバイスを覆う内皮が左心耳を閉鎖するまで抗凝固薬などを服用してください。自己判断で中止はせず、医師の指示に従ってください。
経口抗凝固薬(OAC)を長期服用できないと判断された非弁膜症性心房細動の患者がLAACの適応です。
以下の3つの項目すべてに該当する、非弁膜症性心房細動の患者です。
※ C=うっ血性心不全、H=高血圧(収縮期血圧 160mmHg超)、A2=年齢75歳以上、D=糖尿病、S2=脳卒中、一過性脳虚血発作または血栓塞栓症の既往、V=血管疾患、A=年齢65~74歳、Sc=性別(女性)
詳細な患者の例示については、日本循環器学会のホームページをご確認ください。
日本循環器学会ホームページ:https://www.j-circ.or.jp/device/

手技後、左心耳が閉鎖されるまで、医師が抗凝固薬を処方します。この期間に、心臓の組織はデバイスを覆って増殖し、血栓に対するバリアを形成します。
術後経過を見た上で医師が抗凝固薬を中止するかどうかの判断をします。(ただし、その他の薬剤は継続する場合があります)
心臓の左心耳(LAA)に留置することで永久に閉鎖し、血栓が流れて脳に到達することを防ぎます。非弁膜症性心房細動の患者では、心臓に起因する脳卒中を生じさせる血栓の90%以上が左心耳から発生していることから、左心耳を閉鎖することで脳卒中リスクを減らします。
ワルファリンやDOAC(直接経口抗凝固薬)服用を中止できる可能性もあります。
胸を開く手術をせずに脚の付け根からカテーテルを挿入する方法で、一般的に手術翌日から歩行が可能です。
心臓は4つの部屋で構成されています。上方の小さな2つの部屋を右心房と左心房と呼び、下方の大きな2つの部屋を右心室と左心室と呼びます。
心臓は全身に血液を送りだすためのポンプの役割を担っています。
このポンプ機能は、電気信号が心臓に伝わり、筋肉を収縮させ、規則的に拍動させることにより動いています。安静時、正常な成人の心臓であれば、1分間に60~120回拍動します。
心房細動は、心臓の拍動が不規則になる病気の一つで、心臓から血液を送り出す能力に影響を及ぼします。
心臓の拍動リズムが正常な場合、血液は心室に送り込まれた後、全身に再び送り出されます。
心房細動は、心臓上部の二つの部屋(心房)が異常に速く不規則なリズムで拍動(細動)している状態のことをいいます。
心房細動が起きると、無秩序な電気信号が心房を小刻みで不規則に震わせ、規則正しい拍動ができなくなります。そして、心房や心室が協調して働けなくなるため、心臓のポンプ効率が正常な拍動の20~30%も低下します。
正常な拍動の場合、心臓を拍動させる電気信号は、右心房にある洞房結節から始まります。しかし、心房細動の場合、信号が心房の複数の場所から不規則に生じます。このような無秩序な信号が高頻度に生じ、一部しか心室に伝わらなくなることで不規則な拍動になります。
心房細動の最も一般的な原因は、心臓の異常または障害です。リスクは年齢とともにも高くなりますが、原因不明の場合もあります。
非弁膜症性心房細動の原因の可能性としては、以下のことが挙げられます。
心房細動では、心臓が血液を正常に送り出さないため、血球が滞留しお互いにくっついてしまうことで、心臓の左心耳(LAA:Left Atrial Appendage)と呼ばれる部分に血栓が形成されます。
その血栓が剥がれて脳へ血液を供給する血管をふさいだ場合、脳への血液供給が妨げられることが原因となり、脳卒中が起こります。
心房細動患者は、心臓の拍動リズムが正常な人と比べて脳卒中のリスクが5倍高くなります。非弁膜症性心房細動の患者では、脳卒中の原因となる血栓の90%以上が心臓の左心耳内で形成されています。
心房細動に対し適切に対処しないと、正常な心調律に比べて、脳卒中のリスクが高くなります。
心房細動患者の約3分の1が脳卒中を発症することが報告されています。
心房細動による脳卒中は、死亡や後遺障害を引き起こす確率が高くなることが報告されています。
非弁膜症性心房細動では、左心耳(LAA)と呼ばれる小さな袋で形成される血栓が脳卒中の主な原因と考えられています。
心房細動では、心臓が血液を正常に送り出さないため、血球が滞留し、お互いにくっついてしまうことで、心臓の左心耳と呼ばれる部分に血栓が形成されます。その血栓が剥がれて脳へ血液を供給する血管をふさいだ場合、脳への血液供給が妨げられることが原因となり、脳卒中が起こります。
抗凝固薬は、実際には血液を薄めるものではありません。抗凝固薬は、血球がお互いにくっついて血栓が形成されることを予防します。
(※)ワルファリンの場合、定期的な血液検査(医師の推奨により週2回~月1回)を受ける必要があります。この検査では、INR(国際標準比)という、血液が凝固するまでにかかった時間を表す数値を測定します。
ワルファリンを服用している場合、葉物野菜など、ある種の食物はINRに影響を及ぼす可能性があります。飲み忘れた場合も、基準値の範囲から外れることがあります。INRの推奨値から外れた場合、脳卒中または出血のリスクが高くなる可能性があります。
DOAC/NOACと呼ばれる新しいタイプの抗凝固薬ではINR検査が必要がなく、ワルファリンの様な食事制限はありません。ワルファリン治療を行うことで何らかの問題がある場合、別のタイプの抗凝固薬服用を医師から勧められるかもしれません。このような抗凝固薬はワルファリンに代わる新たな選択肢となる一方、それぞれの抗凝固薬剤にも、リスクとベネフィットがあります。
抗凝固薬は、心房細動患者の脳卒中リスクの低減にきわめて有効ですが、出血性障害のリスクが高まる可能性もあります。
ほとんどの場合、出血は軽度で治療も困難ではありません。(例:通常よりも止血に時間がかかる傷口など)また、抗凝固薬によってあざができやすくなる人もいます。
重大な出血の場合には、病院での治療や輸血が必要になる可能性もあります。出血性脳卒中の原因となる脳内出血など、ときには出血が、命に関わる状態や死をもたらす可能性もあります。
抗凝固薬を処方する場合、医師は脳卒中のリスクと重篤な出血性障害のリスクを比較検討します。このようなリスクは現在の病状、家族歴、生活習慣などの要因によって異なります。重大な出血のリスクが他の人より高いケースもあります。
心臓の中でデバイスを覆う内皮が左心耳を閉鎖するまで抗凝固薬などを服用してください。自己判断で中止はせず、医師の指示に従ってください。
とくに、摂取カロリーや水分、塩分の量は、医師の指示に従ってください。なおサプリメントの摂取には注意が必要です。とくにカルシウムは生体弁組織の耐久性を弱めるとされているので、医師に相談して下さい。
運動プログラムに従った適度な運動は、心臓の負担を軽減しライフスタイルを維持するためにも重要となります。また、新たなスポーツを始める際は、医師に相談してください。
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北原 慧※第1・3・5週担当 角野 元彦※第2週担当 神吉 秀明(心不全・弁膜症外来)※第4週担当 |
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